アクティブ・ラーニングとは?
最近になって、「アクティブラーニング」という言葉をいろいろな場面で聞くようになりました。
でも、詳しく理解している人は少なくないのではないでしょうか。
「アクティブラーニングとは何か?」という疑問に答えるとともに、その効果について紹介したいと思います。
アクティブラーニングとは?
文部科学省は以下のようにアクティブラーニングを定義しています。
「教員による一方的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた授業・学習法の総称。学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。」
従来の、教師が一方的に話す講義形式では、生徒は静かに黙って聞くことが望ましいとされていました。
たとえよく理解していない生徒がいたとしても、授業は進んでしまいます。
また、生徒が受動的になり、教師の話を聞くだけで、自ら頭を使うことは難しいです。
しかし、アクティブラーニングでは、生徒同士が、話し合いなどによって教師の課題に取り組みます。
生徒同士で行うため、お互いにわからないことを教えあったり、意見を出し合ったりすることで、疑問点をなくし、能動的に学習することが可能になります。
アクティブラーニングで教師は何をするのか?
一番誤解されやすいことが、「アクティブラーニングにおいて教師が何をするのか」ということだと思います。
アクティブラーニングをよく理解していない人の中には、「生徒たちだけで考えてたら間違った方向にいってしまうのではないか。」と考えているひともいるかもしれません。
でも、それは違います。アクティブラーニングでは、教師は生徒全員の状況を把握し、間違っているならば、正しい答えに導けている人がその子に教えるように仕向けます。
間違えたまま進まないようにするために教師がいるのです。
今度は逆に、アクティブラーニングを実践しようとしている方に勘違いしてほしくないことがあります。
それは、「教師が直接教えてはいけない」ということです。
間違えてしまっている生徒がいたら、ほかのできている生徒に教えさせるような声がけをするだけでよいのです。
アクティブラーニングにおける教師の役割は、全体を把握することなので、その生徒を教えている間に、ほかの生徒の状況を把握することができなくなってしまいます。
ですから、「この問題は○○くんとかが教えるの上手そうだなぁ」などとつぶやき、教師ではなく、生徒同士で教えあう場をつくるのです。
アクティブラーニングの効果
アクティブラーニングの効果として代表的なものは、以下のとおりです。
成績向上
できる生徒は教えることで理解を深め、つまずきやすい生徒は疑問点がなく理解していけるため、全体として、成績が良くなります。能動的な学習を行っているため、記憶の定着もつながります。
人間関係
共同作業で行っているため、生徒同士の仲が深まります。
どんなに教師が頑張っても心を開いてくれない生徒や、教師がコミュニケーションをとりにくいと感じている生徒はいるものです。
そういった人は、教師の代わりに生徒のなかから信頼できる人を見つけることができます。
その人と教師がコミュニケーションをとれれば、自然とどんな人でもコミュニケーションをとれるようになります。
教師がクラス全体をみれる
教師はほとんどの時間を生徒の状況を把握することに利用するため、従来の教授法では見ることができなかった部分まで、生徒を見ることができます。
生徒ひとりひとりを深く理解することで、教師は自分に自信が持てたり、逆に、生徒は教師に理解してもらうことによって、安心感や信頼感をもつようになります。
生徒のやる気向上
できる生徒は教えることで自尊感情が満たされ、つまずきやすい生徒は不安を感じることなく科目に取り組めるため、全体として、生徒のやる気を高めることができます。
以上、代表的なものをあげました。
今後、ますますアクティブラーニングが行われる機会が増えると思います。
この記事に書いてあることだけでも理解しておくといいのではないでしょうか。