言語を学ぶ方には見てもらいたいたい内容です
ここ最近で英語の重要性は高まってきています。「英語ができるようになりたい」と思っている人が多いのではないでしょうか。
そこで、「どうせ勉強するなら効率的に勉強したい」と思いませんか?
「どのようにすれば言語習得は可能なのか」「どのようなやり方で習得しやすくなるのか」研究している人たちがいます。
その質問に答えてくれるのが、
「第二言語習得論」というものです。
「第二言語習得論」で明らかにされていることを、これからのあなたの英語学習がより充実したものとなるように紹介していきたいと思います。
母国語の影響
まずおさえていただきたいのは、「母国語の影響はかなり強力である」ということです。
これを理解していただくために以下に少し詳しく説明しますね。
第二言語習得論の研究の中で、「習得順序は環境や教え方によらず難しいものは難しいし、易しいものは易しい」ということがわかってきました。
そこで、ある研究者が「自然な順序(natural order)」というものを提案しました。
その内容は、英文法の習得順序に関するもので、習得のしやすい順に「進行形、複数形、be動詞」→「助動詞、冠詞」→「不規則の過去形」→「規則動詞の過去形、三人称単数の-s、所有格の’s」とされています。
ところが、日本人の研究者はこの話が当てはまらないことに気づいていました。
なぜなら、日本人を対象とした研究で「所有格よりも冠詞の習得が遅れる」ことがわかっていたからです。
だってそうですよね。みなさんも「所有格の’sはすぐ使えるようになった」とか「冠詞をつけ忘れたり、aとtheの使い分けがいまいち理解できてない」など思いませんか?
結論を述べると、「自然な順序」は必ずしも当てはまるとは限らないのです。
その理由は、母国語と学習言語に相違があるからです。それぞれの言語によって、類似点や相違点は異なります。日本語には冠詞がないため、日本人は冠詞の習得に苦労するのです。
第二言語習得の際には「母国語が非常に影響する」ことを知っておくことが重要です。
日本語に存在しない文法が英語にはたくさんあります。(冠詞以外にも仮定法や前置詞など)
日本語にあって英語にはない文法だってあります。(有名なのが「は」「が」「を」などの助詞)
そもそも異なる言語なので文法は異なっていて当然です。
なので受験生の皆さんは、英語を学習する際、日本語に存在しないような概念や難しい文法項目を学ぶときにたとえつまづいたとしても落ち込むことはありません。
どんな人でも一度は必ずつまづきます。そのような壁を乗り越えましょう。
そういったときに頑張りきれないで挫折してしまう人がいるから英語ができることの価値は高いのです。
外国語の適性
実は、外国語学習の際には人によって適性、つまり、優れている能力が異なります。自分の適性を知り、それを生かして学んでいくと効率的な学習につながります。
それでは「外国語の適性」とは何なのでしょうか?
外国語を学習する際に、間違いなく成功する学習者の特徴として第二言語習得論の研究に基づくと以下の5つの条件が挙げられます。
(1) 年齢が若いこと
(2)母国語が学習対象言語に似ていること
(3)外国語学習適性が高いこと
(4)動機付けが高いこと
(5)学習法が効果的であること
(2)についてはすでに述べたように、母国語の影響が強力であるため、母国語が学習対象言語と共通点が少ない場合は学習するのが困難になります。
外国語学習適性は3個ある!
(3)の外国語の適性に関してなのですが、もともとは英語に適性がある人に絞って英語を勉強させようとした調査において統計的処理を行って計測されました。そのときに考え出された以下の3つの能力があります。
①言語分析能力(言語の文法や規則に関する敏感さ)
②音声認識能力(聞き取りの能力と聞いた音声を頭の中で保持する能力も含む)
③記憶力(丸暗記する能力)
興味深いことに、この全ての能力が低い人間はいないであろうとされています。基本的には、何かしらの能力が高いか複数の能力が高いとされています。
ということは受験生の皆さんや英語学習者の方はどうすればよいのかもうお分りですよね。
自分はどの能力が比較的高いのかを見極め、その能力を活かした勉強をしていけば良いのです!
これは勉強の効率を高めるうえでとても有益な情報じゃないでしょうか?
例えば、①の能力が高い人なら文法中心の勉強、②の能力が高い人なら音読やリスニングの音声を積極的に取り入れた勉強、③の能力が高い人なら暗記の負担を少し多くするなどが考えられます。
もちろん能力に関係なく、文法はしっかりと学ぶべきですし、音読はどんな人でもすべきですし、暗記の負担を減らす勉強を心がけるべきです。
ですが、自分の能力を活かして、それに沿った勉強のスタイルで効率よく勉強することができることは知っておくべきだと思います。そして実践すべきです。
「他の人と同じ勉強の仕方」では差がつきませんからね。
単語と文法ができれば「英語ができる」といえるのか?
結論から言うと、単語と文法だけでは使えるようになりません。(習得したことになりません)
なぜなのでしょうか?詳しく説明します。
まず、応用言語学という学問領域では「言語ができる」というのは「コミュニケーション能力がある」と定義されています。
コミュニケーションに必要な能力とは
それに基づくとコミュニケーション能力に必要な能力は以下の4つに分けられます。
①文法能力(音声・単語・文法の能力)
②談話能力(1文以上をつなげる能力)
③社会言語学的能力(「適切」な言語を使う能力)
④方略的能力(問題が起こった時に処理する能力)
単語と文法だけでは①の能力しか満たすことができません。(他の能力に関しての説明は割愛させていただきます。気になる方は調べてみてくださいね。)
「単語と文法さえ覚えれば良い」という考え方では、「単語、文法ともに正しいがこういった英語は使わない」と言った文を平気で作ってしまったり、間違いに気づかなくなってしまいます。
例えば、
I wish to be wedded to you.
I want marriage with you.
My becoming your husband is what I want.
I desire you to become married to me.
I want to marry you.
と言った文があったとしましょう。これは全て単語、文法ともに正しい文です。
しかし、実はI want to marry you.の文しか使えません。おそらくネイティブの方に他の英文を使うと「理由はわからないけど、そんな言い方はしない」と言われると思います。
このように単語と文法を覚えるだけでは本当に英語を習得することはできないのです。
「それじゃあどうすればいいんだ!?」と思いますよね。
その答えはずばり、「インプットを中心とした言語学習を多く取り入れて勉強すること」です。
インプットの効用
言語のインプットというのは英語の4技能でいうならば、「リーディング」と「リスニング」が該当します。
これらを多く取り入れることで、どんなことが起きるのでしょうか?
それはずばり、インプットを行うと「予測文法(expectancy grander)」というものが身につくとされています。
これは実際には言わない文を母国語の話者がおかしいと思う理由を説明するものとなっています。
例えば、日本語で言えば「昨日友達と___」という日本語の文をきいたら「遊んだ」などと当てはまる動詞がすぐに浮かびますよね。
つまり、インプットを大量に行うことによってパターンなどが身につくのです。このパターンは大量のインプットによって非母国語話者にもある程度身に付けることが可能とされています。
そうすると、聞いたことのないような単語の使い方やパターンを目の当たりにしたときに、「あれ、なんか変だな?こんな使い方しないよ」といったように思えるというわけなのです。
音読や多読をすると英語の長文を読むのが早くなります。その訳は上記のように説明した「予測文法」というものが身につき、次にどんな表現が来るか予測できるようになるからなのです。
また、音読や多読は左から右に英文を読んで内容を理解することができるようにもなりますが、それも「予測文法」が身につき、英語話者の言語理解メカニズムに近づくことができるのです。
ですから非母国語を学ぶときにはインプットが非常に重要なのです。
かなり興味深いことに、勉強のインプットとアウトプットの黄金比は 3:7 とされていますが、言語学習においては、7:3が良いとされています。
言語学習以外のインプットとアウトプットについてはこちら
究極的にいってしまえば、言語は感覚的なものですので、大量なインプットを行い、その言語の感覚を身に付けることが必要不可欠なのです。
言語学習においてインプットは不可欠で大量に行うべきであることを覚えておきましょう!
ここ最近の難関大の傾向として、英語の長文において「早く正確に思考しながら」読む力が必要とされています。
インプットを取り入れた学習で、「早く正確に思考しながら」長文を読めるような土台づくりを行いましょう!
アウトプットの効用
インプットが重要であることが分かったと思います。
そのインプットを支える重要な役割を担っているのがアウトプットです。
アウトプットも行うことを忘れてはいけません。
では、アウトプットにはどのような効果があるあるのか説明していきます。
言語学習におけるアウトプットの効用は以下の3つがあると言われています。
①自分はどこが言えないかに気づくことができる
②相手の反応をみて、自分の英語が正しいかどうか仮説検証ができる
③学習者が、自分やお互いの言語について、コメントしたり話したりすることにより、言語に関する意識が高まる
受験英語だけに絞れば①がとても重要になるのではないかと思われます。
英作文などが入試で出題されるため、自分のつくれない英文や表現に気づいて学んでいくことは必要不可欠ですよね。
ここで、「インプットとアウトプットをどう組み合わせていけばいいの?」という疑問が生じると思います。
第二言語習得論の観点から判断すると、「インプット→アウトプット→インプット」の順で学習するのが良いとされています。
ここで注意しなければならないのは大量のインプットに対し、アウトプットは少量でよいということです。
これまでの研究でアウトプットそのものが言語習得につながったという結果はあまりでていません。これは是非覚えておくべきです。
ですから、「インプットを効率よくできるようにアウトプットを少量取り入れる」のが良いとされています。
あくまでも、言語はインプットが何よりも大切なのです。
また、インプットに関しては、「文法的知識をたくさん覚えること」と勘違いしないように注意する必要があります。
文法的知識をひたすら覚えることは限界があると言われています。
それにもかかわらず、日本では文法的知識を詰め込むことが重視された教育やそれを踏まえた大学入試の問題構成といった第二言語習得から判断するとよろしくない現状となってしまっています。
そのような教育を受けてしまうと、文法的知識をたくさん知っていくことが言語習得につながると考えてしまうかもしれません。
たしかに文法的知識を理解しておくことは重要です。
しかしながら、言語というものは全てが規則に当てはまるというものではありません。
文法的知識よりも、「この単語はこういった使い方をすることが多いのだな。」「この単語はこういった単語と結びついて使用するんだな。」などと感じられるような、自然な英語に触れることによるインプットをするのが良いとされています。
そこで、本当に言語習得につながるものは「リーディング」や「リスニング」といった、英語にたくさん触れてインプットが出来るような学習が効果的なのです。
これは文法的知識ばかりを学ぼうとする傾向のある受験生にとっては知っておくべき情報です。
これでこれからの勉強の効率が確実に上がるはずです!
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